うちのいとこが「最近の妊婦さんは体重の話しかしない」と言っていたのですが、私もその例に漏れず厳しい体重管理の真っ最中。
そんな私を尻目に、大好物の唐揚げを心行くまで食べ、私の監視の目が緩んだ隙にビールを浴びるほど飲んでいた旦那がある晩・・・
足が痛い!歩けないほど痛い!!
と、大騒ぎ。
確かに、右足の甲が足の形が変わるほど赤黒く腫れ上がり、熱を持っていて歩くどころじゃなく、あからさまに痛そう。。。
当初、骨折かと思って訪れた整形外科でひとこと。
「痛風ですね」
(゚Д゚)ハァ?
ダーリン、アンタ、人が玄米とゆで野菜で必死に体重管理している時に、痛風になるまで贅沢するとはどういうことか言ってご覧?
と、ブリザード攻撃を食らわせておきました。
ちなみに、骨折かと思っていたので整形外科に行きましたが、痛風とは思わずに整形外科に行くケースは案外多いらしく、すっかり慣れた感じでそのまま治療をしてもらっています。(本来は内科)
ただ、やはり治療には根気の要る食事療法がいるらしく、愛するダーリンのために研究の日々なのです。
押さえておきたいプリン体と痛風の関係
そもそも、痛風とは、血液の中に含まれる尿酸が異常に増えてしまい、体液中に溶け切れなくなって関節部分に溜まり、結晶化することで激しい痛みを伴う関節炎を引き起こす病気です。
簡単に言えば、体の中に溜まりすぎた尿酸(にょうさん)という物質がカタマリになって炎症を起こす病気ってこと。
で、その尿酸というのは、「プリン体」という物質から作られるため、プリン体をたくさん取りすぎると痛風になってしまう、というわけです。
ただし、体の中のプリン体のうち、食べ物から摂取するのは全体の20%ほどで、残りの80%は生きて生活する中で体内で勝手に作られてしまうそうです。
プリン体の多い食べ物が影響するのは案外ちょびっとなんですよね。
で、特に、体が肥満の状態にあると、血液中の尿酸値が上昇しやすくなります。
だからといって急に絶食をしたり、反動で脂肪分を大量に採ったりするのも尿酸値の上昇を招くので注意です。
太っちょさんは体内で大量にプリン体を合成しちゃうので痩せて合成を抑えなさいよということですな。
ただし、だからといって絶食レベルで食事をしないのは逆効果ですよと。
要するに、プリン体の多い食べ物がどうこうみたいな話の前に、健康に食べて標準体重に戻す努力が一番大事だよ、と。
そういう体重管理も含めて痛風の食事のポイントを優先順位をつけてみていくと・・・
その1:肥満の解消・絶食をしない健康的なダイエット
体重が増加することで、血液中の尿酸値が上昇しやすくなります。
ですから、とにもかくにも肥満の解消が一番。
標準体重を目指してエネルギーの過剰摂取を控えましょう。
ただし、絶食をしてしまうと、逆に血中のケトン体が上昇し、尿酸値の上昇を招きますので健康的に食べて痩せる工夫が必要です。
おいしくちゃんと食べて痩せるとなると、どうしてもついて回るのが運動ですよね。
ウォーキングなどの有酸素運動は非常に効果的だそうです。
ただし、ウェイトトレーニングなどの無酸素運動やテニス、サッカーといった激しいスポーツは逆に尿酸値を上昇させてしまうので避けましょう。
目指すべき食事スタイルについては後述しますね。
その2:アルコールを控える・飲酒量と休肝日の設定
アルコールは体内で尿酸が作られるのを助けてしまう働きがあります。
また、尿酸が尿から排出されるのを妨げるというはた迷惑な役割をしてしまうので、アルコールは控えます。
どうしても飲まないとやっていられない場合は1日おきにビール1本が目安。
ってか、アルコールの摂取自体が問題ですから、糖質オフとかプリン体オフなら飲んでもいいのかとか言ってる場合じゃありません。
そりゃ、スパッと禁酒するのが一番ですけど、どうしてもどうしてもお酒をやめられないアル中気味のあなたが痛みをこらえながら飲んでもいい量の限界値は、ビールなら中ビン1本、ウィスキーならシングル2杯、日本酒なら1合、どれか1種類だけを1日おき、です。
我が家の場合はすでに発症しちゃっているので完全に禁酒中です。
その3:プリン体のとり過ぎに注意する
食べ物から摂取するプリン体は全体の2割程度しか影響しませんから、ストレスを溜め込むほど過度に気にすることはないのですが、だからといって連日のように大量のプリン体を摂取していては治るものも治りませんよね。
プリン体を多く含む食品はこんな感じです。
すごく多い | レバー(鶏・豚・牛ともに)、大正エビ、白子、魚の肝(アンキモなど)、魚卵(たらこなど)、一部健康食品(DNA/RNAやビール酵母、クロレラ、ローヤルゼリーなど) |
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多い | イカ、魚の干物(アジ・サンマ・イワシなど)かつお、牡蠣、タコ |
少ない | ほうれん草、カリフラワー、もやし、ゆで大豆、納豆、ハム、ベーコン、鶏モモ、サンマ、サワラ、ブリ、サバ、うなぎ |
すごく少ない | 卵、牛乳、ごはん、プロセスチーズ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、イモ、うどん、大根、海藻 |
参照:公益財団法人 痛風財団
プリン体とは、要するにうまみ成分ですので、おいしいものにはプリン体が含まれてしまいますし、世の中の大概の食品には多かれ少なかれプリン体が含まれています。
まぁ、そんなことを言い出したらキリがありませんけど、大人のおつまみにはプリン体が多い食材が多いので、レバーや肝、魚卵、干物、イカやタコは控える、というのをまずは覚えましょう。
また、鍋の汁など、魚や肉から出たスープにはプリン体が多く含まれますので、鍋の後の雑炊やうどんは避ける、ラーメンなどのスープは飲まないなど、気をつけましょう。
その4:尿をアルカリ化する・尿の量を増やす
尿酸は腎臓を経由して尿として体外に排出されます。
でも、尿が酸性に傾いていると尿酸が溶けにくくなってしまいます。
肉類などは尿を酸性化させやすく、野菜や海藻などは尿をアルカリ化させますから、野菜や海藻をたくさん摂るように心がけましょう。
尿をアルカリ化する | 尿を酸性化する |
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ひじき、わかめ、こんぶ、干ししいたけ、大豆、ほうれん草、ごぼう、サツマイモ、ニンジン、バナナ、サトイモ、キャベツ、大根、なす、じゃがいも | 卵、豚肉、サバ、牛肉、アオヤギ、カツオ、ホタテ、白米、ブリ、マグロ、サンマ、アジ、カマス、イワシ、カレイ、アナゴ、芝エビ |
例えば、卵はプリン体は少ないものの、尿を酸性化しやすいため「卵ばかり食べれば大丈夫!」みたいな偏食は避けるべきです。
ひじきやわかめといった海藻はプリン体も少なく、尿をアルカリ化するので積極的に摂りたいですね。
目安としては、1日に300グラムの野菜を食べるのが望ましいといわれています。
これは、野菜サラダ+おひたし+野菜の煮物、各1人前ずつくらいの分量です。
また、根本的に尿の量を増やすことで尿酸を排出させるため、水分の摂取も積極的に行いましょう。
この時、ジュースなどの糖分の高いドリンクではなく、水やお茶を摂るように心がけ、1日に2リットル以上の尿を出すのが目安。
その5:塩分と脂肪分を控えめに
体に溜まった尿酸を排出するためには、たくさんの尿を出していくのが効果的。
けれども、塩分をたくさん摂っていると、腎臓は余計な塩分を排出するためにも働かないといけなくなり、余計な負担がかかります。
例えば、ラーメンやうどんのつゆは飲まずに残す、漬物や干物などは避ける、冷奴などにかけるしょうゆは控えめにする、だしを十分効かせて味噌やしょうゆを控えめにするなど、工夫しましょう。
また、痛風患者の多くは高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を併せて発症していたり、予備軍だったりしますので、塩分や脂質は控えめにして併せて治すことが大事です。
その6:栄養バランスに気をつける
減量を意識すると、すぐに「炭水化物は抜かなきゃ!」とか、「野菜サラダだけ食べて痩せる」みたいな偏った食事を思い浮かべてしまうこともあるでしょう。
でも、根本的に「一時的に体重さえ落とせばOK」ではなく「食生活を改善して体の中から健康を維持する」ことが大事ですから、必要な栄養素をとらない極端な偏食ダイエットは好ましくありません。
向こう何年もかけてちゃんと体を作り直すわけですから、一生野菜サラダしか食べないなんてナンセンスですもんね。
食事は1日3食きちんと摂り、主食、主菜、副菜をそろえるようにします。
要するに、ご飯+肉or魚+野菜をそれぞれ欠かさないようにね、ということ。
ご飯ばかりでもダメ、お肉ばかりもよくないし、野菜しか無いのもダメ。
何事もバランスが大事なのです(。・∀・)ノ
ですから、外食時も一品料理よりは定食モノが望ましいわけですよ。
カツ丼やカレーライスよりは、焼き魚定食や野菜炒め定食といった定食を選ぶとか、チャーシュー麺よりはタン麺にするとかね。
ちなみに我が家では、あえてご飯と味噌汁を食べるように一汁三菜スタイルに変え、同時に自分が食べた量をちゃんと把握できるように、大皿にまとめる居酒屋スタイルをやめ、一人ひとりに盛り付けるスタイルに変えたところ、1週間で3キロ体重が落ちました。
・・・どんだけ~~~((( ;゚Д゚))) とあきれ中www
これ、妊婦の体重管理を扱った一汁三菜の記事でも紹介したのですが、炭水化物を避けるために、代わりに何を食べているのかを考えたら、ご飯と味噌汁を食べた方がかえってカロリーダウンできたりするんですよ。
おかずでお腹いっぱいになるよりはご飯の方がマシだった、的な。。。ww
それから、今まではおかずを大皿にどーんと盛って出していたのですが、これだと好きなものを好きなだけ際限なく食べてしまうので、一人ひとり、個別に皿に盛り付けて食べる量を把握しやすくしてみたら、なんか食欲までもが押さえられる不思議・・・w
食器もあえて小さ目を選んで使っているので、なんだかよく分からないうちに食べた気分になれる、案外おめでたい私たちだったりします(笑)
また、うちではやってなかったけど、ワンプレートにすべてを盛り付けるカフェスタイルも、「盛りやすいおかずにするために煮物などを避ける」とかだとよくないらしいです。
バランスのよい食事を心がけて、はやく元気になりますように!