スーパーの店頭に梅が並び始めると「季節だな~」と、毎年他人事のように思っていたのですが、今年こそ、梅シロップに挑戦したい!
梅酒なら作ったことがあるんだけど、梅シロップは無かったんですよね~。
でも、この夏は赤ちゃんが産まれるし、私の体に入れるものが子供の健康に直結すると思ったら、出来るだけ天然のものがいいかなーなんて思いまして。
そういえば、昔、おばあちゃんが大量の梅シロップを作ってて、梅ジュースにして飲ませてくれたなぁ。。。
だから今回のテーマは梅シロップで梅ジュースを作ること!
先達の知恵をありったけ拝借してきましたよ!!
梅シロップ(ジュース)が出来る基礎原理と下準備
梅シロップの材料は、ズバリ「梅」と「砂糖(糖分)」。
ものすっごくザックリ言っちゃえば、梅酒のお酒を入れないバージョン。
梅と砂糖にホワイトリカーを入れたら梅酒になるけど、梅と砂糖のまま置いておけば梅シロップになるよと。
な~~~んだ。
これなら出来そう♪
ただし、度数の強いお酒で強制的に殺菌する梅酒と違い、どうもホワイトリカーが入らない分、雑菌が繁殖しやすいようですね。
まぁ、大量の砂糖を加えるので砂糖に梅が埋もれてしまえば雑菌が繁殖しにくくなるんですけど、砂糖が溶けてシロップ状に変わるまでは生の梅がそのままむき出しの状態になってしまうので、カビたり発酵したりしやすいそうです。
発酵を防ぐには、早く砂糖が溶けてシロップ状になるか、漬け込む際に酢を加える方法、梅自体を漬ける前に冷凍して組織を壊し、エキスを出しやすくする方法などがあります。
ま、普通につけても大丈夫なように、事前準備はしっかりと、ですね。
まず、ビンの殺菌。
漬け込むビンは事前に熱湯消毒します。
とはいえ、あのビンは大きくて、哺乳瓶みたいに鍋にぶっこんで煮沸消毒できるサイズじゃないので、沸騰したやかんのお湯を回しかけていきます。
でも、ガラス瓶なのでいきなり熱湯をぶっ掛けると割れてしまう危険があります。
一旦、熱めのお湯でビンを温めておいて、熱湯で殺菌するといいでしょう。
煮沸消毒したビンは、天日で自然乾燥させて使います。
使う直前に度数の高いアルコールで拭くという手もありますが、アルコールは37度以下に薄まると殺菌作用が極端に低下するので、ビンに水分が残っていないこと、使うアルコールの度数が低すぎないことに注意です。
漬け込む梅は、事前にしっかり流水で洗ったあと、水に5時間程度放ってアク抜きをします。
特に、梅シロップや梅酒に使う青梅はアク抜きをサボるとエグみが出ますので注意。
梅を洗う際もスポンジなどは使わず、梅の実を傷つけないように丁寧に洗いましょう。
洗った梅は清潔なフキンで拭き、水分をよく取っておきます。
もし、すでに傷がついていたり痛んでいる実があれば取り除いておきます。
次に、竹串で梅のヘタを取り除きます。
このヘタが残っていると味が悪くなります。
面倒だけど家族総出でヘタ取りしましょう。
また、梅は金物を嫌いますから、ヘタ取りの時にフォークや金属製の串は使わないように気をつけてくださいね。
殺菌されたビンと、洗ってヘタを取り、水分をよく拭き取った梅。
これで下準備OK!!
氷砂糖派?グラニュー糖派?ハチミツ派?きび糖や黒糖?
準備が出来たらいよいよ梅シロップを漬けるんですけど、梅と一緒に漬け込む糖分は、氷砂糖だったりグラニュー糖だったりきび糖だったり蜂蜜だったりいろんなバリエーションがありますが、基本的には梅と同じ重量を用意します。
梅が1キロなら砂糖も1キロが基本。
慣れてくれば砂糖控えめバージョンなどもチャレンジできたらいいな。
で、氷砂糖は非常に純度が高いので雑味のない梅シロップになります。
反対に、きび糖や黒糖のような個性の強い砂糖を使うと砂糖の持つクセがシロップにも出てきますので、純粋な梅味ではない個性的な味になります。
一般的に果実酒やシロップ漬けといえば氷砂糖ですよね。
氷砂糖って、果実酒か乾パンかっていうイメージ。。。
氷砂糖はあの通り大きな結晶になっているので、すぐには溶けにくく、じわじわと溶けていきます。
白砂糖のように溶けやすい砂糖だと果実の水分で一気に溶けていきますから、果実からしっかりエキスを抽出する前に浸透圧で水分だけバンバン出してしまうんです。
逆に、じわじわ溶ける氷砂糖なら果実のおいしいエキスをじわじわと抽出できるってワケ。
じゃぁ、氷砂糖の方がいいじゃないかって思うんですけど、これが梅シロップに関しては一長一短。
梅シロップは梅酒と違い、お酒が入りませんから梅の実が痛みやすく、早く溶けた砂糖に埋もれさせなければカビが生えたり発酵したりしやすくなります。
氷砂糖を使えば、梅エキスが余さず抽出できていいんだけど、氷砂糖は溶けにくいから梅が傷みやすいというデメリットが出来てしまう。
逆に、グラニュー糖のように溶けやすい砂糖を使えば、早く解けて梅を包み込むので痛みにくくはなるけれど、梅から一気に水分だけを奪ってしまうので梅エキスが出にくいというデメリットが出来てしまいます。
そこらへんのメリットとデメリットを踏まえて使う砂糖を選びましょう。
いずれにしても、梅と砂糖を2~3層のミルフィーユ状になるように交互に敷き詰め、最後は梅に砂糖をかぶせてふたをするように砂糖を上に敷いていきます。
砂糖ではなく蜂蜜を使う際には、梅を全部ビンに入れた上からハチミツを注ぎ込めばOK。
蜂蜜を使うとまろやかさが出てそれはそれでおいしいシロップになるそうですよ。
ただし、ハチミツは他の砂糖より糖度が低いので若干多めに用意するのがミソ。
翌日から梅エキスが出始めますので、防腐のために早く砂糖を溶かして梅をコーティングする意味でも、数日間は1日1回、ビンをゆすってエキスを梅に絡ませるようにしましょう。
梅シロップの梅は冷凍?VS冷凍しない?
最近では、梅シロップを漬け込む前にあえて梅を一旦冷凍することで、梅の組織を壊してエキスを出しやすくするという方法も出回っています。
この方法だと、梅からエキスが早く出るのでシロップの完成までが早いとか菌の繁殖でカビたり発酵するリスクが軽減されるなどのメリットがあります。
梅をあらかじめ冷凍しておけばいいだけなので、わざわざ梅雨のじめじめした時期に雑菌に気を使いながら漬け込まなくても、他のさわやかな季節や寒い季節など、四季を問わずに漬け込むことが出来ます。
ただ、残念ながらどうしても、生のままの青梅に比べると香りや風味が落ちるらしく、いいこと尽くめというわけではなさそう。
まぁ、冷凍庫のキャパシティもあるし、うちは冷凍しない梅シロップを採用かな。
冷凍するばあい、綺麗に洗ってヘタを取った梅をジップロックに入れ1~2日ほど冷凍庫へ。
梅シロップに酢を入れる?入れない?
梅シロップのレシピの基本は梅と砂糖なのですが、中には酢を加えるレシピもかなりたくさんありました。
酢が入ることで、カビたり発酵したりするのを防ぐとか、出来上がったシロップを日持ちさせる効果を狙っているようです。
ただ、酢を入れなくても、ビンをきちんと殺菌しておけば発酵は防げますし、出来上がったシロップは一度火を通してから長期保存すれば1年程度もつそうですので、酢が苦手、酸味が気になる、酢の匂いが移りそうでイヤ、という場合は酢を入れなくても大丈夫。
酢は入れたくないけど発酵も怖いという場合は、ホワイトリカー少々を梅に振りかける方法もあるそうです。
逆に、酸味大好き、クエン酸カモーン!!という場合、梅の重量の10%程度を目安に酢を加えてください。
梅が1キロなら酢は100ccですね。
ま、その程度の酢なら「いかにも酢が入ってる~~」ってほど酢の風味が残ったりはしないそうですよ。
ちなみに酢は酢であれば何でもよく、醸造酢や米酢のような普通のお酢でもりんご酢のような果実酢でもOK。
まさかの炊飯器レシピ!
手軽に楽ができると聞けばすぐにそちらに流されていくしーちゃんが心踊ったレシピがこのまさかの炊飯器で梅シロップレシピ!
梅と氷砂糖の準備は今までどおりだけど、漬け込むのはビンじゃなく炊飯器の中!
内釜に梅と砂糖をミルフィーユ状に敷き詰め、保温スイッチON!!
絶対に保温スイッチですからね!
炊飯したらダメですからね!注意ですからね!!!!!
8時間ほどでシロップになるそうですが、1日ほど置いておけばよりGOODだそうですよ。
どちらにせよ、砂糖が溶けたら完成。
あたかも何週間も漬け込んでましたみたいな感じで保存も出来るそうです!
漬け終わった梅の処理は?シロップの保存期間は?
梅シロップは、砂糖が溶けたら完成です。
漬け込んでからおおよそ1週間~10日ほどといわれていますが、使う砂糖の種類だったり、使う梅が生なのか冷凍なのか、漬け込んだビンの保存方法などでも変わってくるようです。
いずれにせよ、砂糖が溶けた段階で、中の梅は取り出します。
おおよその目安は10日前後。
漬け込んだままにしてしまうと、シロップがにごったり梅の渋みやエグみが出たりしますので、特に長期保存を考えているなら梅は忘れずに取り出してしまいましょう。
取り出した梅は種を抜き、砂糖を加えて梅ジャムにしてもおいしそう。
で、残った大事なシロップですけど、このままだとあんまり長期保存が利きません。
やはり、どうしてもこのまま置いておくと発酵しちゃうそうなので、発酵を止めるためにも一度火にかけてから瓶詰めします。
シロップを鍋に移し、弱火でゆっくりと15分ほど、絶対にシロップを沸騰させないように気をつけて煮ます。
目安はシロップを70度以上に加熱して中に含まれる菌を殺してしまうわけですね。
この時、鍋に移す前にシロップを目の細かいザルやフキンでこしておくとよりよいそうですよ。
火を入れた後のシロップは、ふたがきちんと閉まって密閉できる清潔な容器(酒瓶のようなビンか梅酒用の容器など)に入れて、冷蔵庫で保存すれば1年ほどは楽しめるそうです。
もし、漬け込んでいる最中に発酵しちゃった場合、同様に鍋で火にかけることで発酵を止めればOK。
まだ漬け始めて10日もたってないようなら火にかけた後でもう一度梅の実ごと保存容器で保存しますが、10日以上経っているようなら火にかけて発酵を止めた時点で完成→保存としてください。