先日、友人との女子会でこんな会話がありました。
「うちの会社の新入社員でさぁ、何度言っても化粧してこない子がいるのよ。平気でスッピンのまま出社してくるんだから。ホント、神経を疑うわよ(怒)」
「ええ!?ちょっと待ってよ!スッピンってそんなに怒ることなの???それに、アレルギーで化粧ができない子なのかもよ?」
「それがね、アレルギーではないのよ。やろうと思えば普通に化粧ができるのに、しないのよ。どうしてなのかしらね」
「若くて肌がきれいだからじゃない?」
「・・・肌がきれいなら、スッピンで仕事してても許されるの?そういう問題???」
「逆に、私はどうしてそこまで化粧にこだわるのかがわからないわ。そりゃ、受付嬢や販売業みたいに、見た目重視の職種なら化粧はしなきゃいけないでしょうけど、あなたのところ、総務よね?お客さんに会うわけじゃなし、そこまで化粧って必要?」
「ええ!?化粧って身だしなみだよね。最低限のマナーなんじゃないの?私は、化粧もせずに出歩くなんて恥ずかしいことっていう感じがするわ」
「私は逆ね。そこまで化粧に固執すると、かえって”よっぽど自分に自信がない”って感じで卑屈な印象を受けるわ。人前で自分を取り繕う浅ましさ、とか、あざとさ、みたいに、ネガティブなイメージがするわ」
そう。
ネットでは、社会に出た限りは化粧をするのが”当たり前”とか”最低限のマナー”とか、中には”化粧もせずに出歩くなんて下着のまま出歩くのと一緒”なんていう意見も見受けられたのですが、その女子会では”化粧は最低限のマナー派”と”化粧にこだわるなんて馬鹿馬鹿しい派”に真っ二つに分かれてしまいました。
この問題、普段から化粧をしている、化粧が苦にならない人には大した負担にはなりませんけど、普段化粧をしない、化粧が好きではない、化粧に抵抗があるという女性だっていますし、マナーだ身だしなみだ恥を知れだの言われたら、逆に「どうして?」って疑問に感じたり、抵抗感を持ったりする人もいるんじゃないでしょうか。
「マナーだから」「身だしなみだから」というのが、イマイチ説得力に欠けるんですよね。
マナーというのは相手への配慮からくるものですしね。
よっぽどお見せできない顔なのか、とか、コンビニに行くだけなのにイチイチ化粧しないと許されないのかとかね。
屁理屈が止まらなくなってくるわけです。
あ、そうそう。女子会メンバーの一人が「会社で化粧必須といいながら、手当てを出すわけじゃないのはおかしい。化粧品なんて結構バカにできない金額が毎月飛んでいくんだから!男性の髭剃りとはコストが違うのよ、コストが!!」とお怒りでしたw
化粧は何のためにするの?
そもそも、化粧ってなんのためにするんでしょうね?
って、答えは2つ。
ひとつは完全に自分のため。きれいに見られたい、美人な印象を持たれたい、など、自分の自己満足のためです。
もうひとつは誰かのため。彼と一緒に彼の上司に会う時、彼に恥をかかせないように身綺麗にしておきたい、とか、結婚式でしっかり化粧をするのも新郎新婦への精一杯のお祝いの意味がありますよね(精一杯のおしゃれをすることで最上級の礼を尽くす)
Gパンにツッカケみたいな、まるでコンビニに行くついでのようなラフすぎる格好で式場に現れ結婚を祝われたら、新郎新婦はどう思うでしょうか。
あんまり歓迎してもらえていないんじゃないか、結婚式に招いたのは迷惑だったんじゃないか、と、気に病んでしまうでしょう。
祝ってくれる気もないのに来るな!と怒り出す新郎新婦もいるかもしれません。
誰かのためにする化粧というのは、装うことで相手に礼を尽くすということ。
化粧は身だしなみだ、マナーだ、恥を知れ、みたいに”化粧をするのが当たり前派”の人にとって、化粧をしないこと=礼を欠く、無礼な行為という認識が働いていると解釈すれば、言い分は理解できますね。
すっぴんをさらすのはそんなに自信がないの?ってかナルシスト過ぎない?むしろ卑屈なの?みたいに思うのは、化粧=自分を綺麗に見せる武器(化粧とは自己満足である)みたいに認識していると解釈すると納得できます。
ですから、自己満足派にしてみれば、化粧をしたければすればいいし、したくなければしなければいい、好きにしていい、ということになりますね。
じゃぁ、会社はどうなの?って考えた時、自己満足で化粧をするかしないかを決める以前に、会社が礼を尽くすべき相手なのかどうか、という部分で、価値観の違いが出てくるのではないでしょうか。
会社で来客に対応するとか、営業先を訪問するなど、会社の看板を背負って社外の人と会う必要のある仕事なら、会社の看板を背負う以上、顧客や取引先に対して礼を尽くす必要があり、化粧をはじめとする綺麗な装いが必要になってきます。
でも、そうではない、1日中デスクワークで社内の人にしか会わないような仕事の場合、会社の看板は背負っているけど、顧客や取引先に直接礼を尽くさないといけないわけじゃありません。
なので、社内規定でルールがあれば別ですけど、特に定めがないのなら、化粧なんてどっちでもいいはず。ですよね!
でも、対外的な仕事をしないからといっても、化粧=礼を尽くすと考える人だって一定数はいるわけですから「化粧をしないのは礼を欠く行為であり、やる気を疑う。一生懸命がんばっている仲間に対して非常に失礼で仲間を馬鹿にしていると感じる」と思われたら損だよね!?
って考えたら、たとえ1日中デスクワークしかなくて対外的な仕事をするわけじゃなくても化粧することで円滑な人間関係を構築できるのならそっちの方が良くないかい?って思います。
化粧は社会人のマナーだ身だしなみだって言われても、イマイチ納得できなかったけど、会社員として会社の看板を背負って仕事をする以上、取引先や同僚へ礼を尽くしたいから化粧をするんだ、と考えるとストンと腑に落ちますね。
かたくなに化粧をしないのも問題だし、異常に化粧に固執するのもそれはそれで問題。
自己満足の化粧を楽しむのも大いに結構。綺麗に装って旦那を誘惑しなきゃね!(笑)
それだけじゃなく、社会人ということはいい大人なんですから、礼を尽くすべき場面をきちんと見極めて、場面場面に即して対応できなきゃね。