就職活動中の学生さんが直面する問題なんですけど、会社の面接で「あなたのストレス解消法を教えてください」という質問をされることがあるそうです。
しーちゃんの場合、面接なんて無我夢中だったし超テンパってたし、そんなことを聞かれたかどうかまったく記憶にございませんが、言われてみたら確かに「あぁ、そりゃ事前に質問するだろうな」という気がするこのストレス発散方法の問い。
おそらく、こういう人を振り落とそうとしているのでは?という意図を感じます。
- 悩みを限界まで溜め込んで心を病んでしまうタイプ
- ストレスを感じたら何もかも投げ出して逃げ出すタイプ
- 会社に損害を与えたり他人に迷惑をかけるようなバイオレンスな趣味嗜好
悩みやストレスを感じても、うまく発散させられなくてあっけなく退職されてしまったり、ストレスを限界まで溜め込んだ挙句うつ病になってしまう、というケースは、実は本当に後を絶ちません。
というか、昔からずっとそういう問題はあったんですけど、社会問題として表面化するようになったのが最近の話で、それまでは泣き寝入りするしかなかったんです。
つい最近までお気楽な学生だった若者が、いきなり社会に出て仕事を始めるのですから、当然大きなストレスがかかってくるでしょう。
採用する会社としては、ちょっとストレスを感じたからといって、ろくな改善の努力もせずにいきなり退職されたのでは、これまでにかけてきたコスト(人件費など)がまるまる無駄になりますよね。
それどころか、ストレスが原因でうつ病を患って休職されたり、「うつ病を患ったのは会社のせいだ」と訴訟でも起こされたらたまらないわけです。
ですから、ストレスと上手に付き合う方法を知っているかを先に面接で確認したいと考えるわけですね。
毎日の暮らしの中で発散できる現実的なものを選ぶ
基本的に、ストレスの発散方法に正解なんてありません。
あなたにとってストレスの解消につながるなら、それが正解です。
ただ、会社の面接の場面で印象のよい回答と、そうではない回答は存在します。
私の友人に、「ヴィトンのバッグを買うのが一番のストレス解消。ってかあの瞬間のために私は生きている。ヴィトンの店で店員さんが私にひざまずき、まるでお姫様のように扱ってくれるあの時間を買っているんだ」と豪語する人がいますが、これはよくない答えですね。
まず、一般的に考えて、ヴィトンのバッグは毎日気軽に買えるような商品ではありません。
半年~1年に1度のスペシャルなイベントだと考えるのが妥当です。
でも、会社で働くということは、時にはうっかりやってしまったケアレスミスがとてつもないトラブルを引き起こし、このまま消えるか埋まってしまいたいほど凹む日もあれば、上司や先輩から理不尽な八つ当たりをされることもあるし、取引先の担当者が気持ち悪くて1日中鳥肌を立てている日だってあります。
もう、何をやってもどうしようもなく運がない厄日だってあるし、どんなにがんばったって生理的に受け付けない、相性の悪い人だっています。
そういった今日のストレスを今日うまく解消して、明日はちゃんと切り替えられないと、仕事もストレスもあなたを待ってはくれません。
ですから、毎日の暮らしの中でうまく自分に折り合いをつけられるようなストレス解消法が望ましいわけです。
このポイントが押さえられていれば、インドアでもアウトドアでも構いません。
例えば、料理とかジョギング、ゲームや音楽鑑賞、ペットに癒されるとか気が済むまで風呂に入るとかとにかく台所を磨くと気分が晴れるなど、考えてみてください。
ただし、付け焼刃すぎて突っ込まれたら整合性が取れずにボロを出すような答えはNG。
「料理が趣味でストレス解消になります」
「へぇ~。どんな料理を作るの?」
「(レトルトの)カレーとか(インスタントの)豚汁とか・・・」
「料理のどんなところがストレス発散になるの?」
「えーーーーーっと・・・・・・・・・お湯、ですかね。。。」
「・・・」
それと、「お酒」と答えるのもアリだと思いますけど、「ストレス解消に飲むお酒には自分なりのルールを決めている」みたいなアピールは併せて行いたいですね。
納得できる理由付けや詳細な理由を忘れずに
ストレスの発散方法なんて人それぞれ。
ですから、その人にとってはスカッと爽快な趣味であっても、人によっては余計にストレスを感じてしまいそうなものだってあります。
えええっっっ!ちょ、そんなんでストレス解消できるの!?
ってヤツですねw
もちろん、ストレス発散方法に正解なんてないですから、あなたの答えに面接官が納得するかどうかがカギになります。
ですから、ちゃんと相手の納得を引き出す理由付けは加えたいものです。
例えば、「意味もなく千切りをするのが大好き、ひたすら無心になってキャベツを山のように切るうち、嫌なことを忘れてしまう」みたいに、無心で細かい作業をするうち心が穏やかになってスッキリする、というタイプもいれば、細かい作業は余計なストレスがかかって絶対にイヤ、という人もいるでしょう。
大声で叫んだりスポーツで体を酷使することでストレスを発散させる方がいい人もいれば、読書をしたりアロマやお風呂など、ゆったり静かな時間を過ごすことでストレスを解消する人もいます。
大事なのは、自分はおおむねどういうタイプなのか(エネルギーを外に出すタイプか穏やかに落ち着かせるタイプか集中して無心になるタイプかなど)や、具体的にどんなことをしてストレスを解消するのかを提示することで、「私はちゃんと地に足のついた方法で自分のメンタルコントロールが出来ますよ」というアピールを相手に納得させることです。
また、「毎日の暮らしの中で今日のストレスを明日に持ち越さないように解消することが出来るか」が問われているわけですから、複合的な回答も選択肢としてアリでしょう。
例えば、「旅行が好きでまとまった休みには必ずどこかに旅に出る。いざ出かけてからももちろん楽しいが、旅行の計画を立ててみたり、旅行先の名所を日々調べるのもたまらなく好き。『次はどこに行こうか』と旅行雑誌やネットを見ながら空想を膨らませていると時間も忘れて熱中でき、充実した気分になれる」
「車が好きで、時間があるときはドライブに出かけるのが好き。運転も好きだが車自体も好きで、車関係の雑誌さえあれば何日でも過ごせるほどだ。中古車雑誌に掲載された中古車を見ながらスペックを比較したり改造暦を検討したりするのはたまらなく楽しい」
旅行やドライブは、思い立ったその日に行けるものではないので「今日のストレスを明日に持ち越さない」という意味でNG回答になってしまう例なのですが、日頃から旅行内容を考えるだけで最高に幸せだ、みたいに、ちゃんと日々の暮らしの中でストレス解消となる糸口を見つけているなら、相手の納得を引き出すことが出来ますから、必ず併せて回答しましょう。
他人(会社)に迷惑をかけそうなものは避ける
ストレスの解消方法は人それぞれですから、どれが正解なのかなんて答えはありませんが、中には答えとしてふさわしくないものもあります。
会社や他人に迷惑をかける恐れのある行為や、思わず眉をひそめたくなる行為、「そんなことをしていて本当にこの人は大丈夫なのだろうか」と心配になる行為が該当します。
例えば、爆音バイクで暴走行為を行うとかノゾキやチカンのような犯罪行為は人としてやってはいけませんよね。
深夜の公園で奇声を発するとか、前後不覚になるまでスナックで飲みまくるとか、暴力的な行為(ぬいぐるみをジャキジャキに切り裂くとかゴミ捨て場のゴミを蹴ったり殴ったりするとか)も、社会人としてふさわしい行動かと言われればNOです。
「友達に愚痴ってスッキリする」というケースもあるでしょう。というか、すごく多いケースなんじゃないかと思いますが、これは非常に危ないです。
友達に『どこで』『どんな』愚痴をしゃべるのか、という点で、時に会社に損害を与えてしまうことがあるからです。
例えば、「居酒屋で友達に仕事の愚痴を聞いてもらった」こんなことはよくあることかもしれません。
けれど、以前ニュースにもなりましたが、某有名企業の社員が居酒屋で顧客の悪口を大声でしゃべっていて不愉快だというクレームが会社にいったとか、学校の教員が居酒屋で生徒や保護者の悪口をしゃべっていて不愉快だったと教育委員会に通報があったとかいう出来事がありました。
また、誰も見てないと思って書き込んだSNSから拡散してしまうケースもあります。
「会社うざいので居酒屋で愚痴大会なう」みたいなのを上司が見たらまずいですよね?
「課長マジうざい禿げろ」「うちのお局ムカつく」みたいなのはもっとまずいです。
実際には同僚や友達に仕事の愚痴をこぼすことなどいくらでもあるでしょうけど、面接の場でストレス解消法として挙げるべきではないですね。
悪循環にならないように気をつける
最後に、挙げるストレス解消法が悪循環を生まないかを考えることも忘れずにです。
「浴びるほど酒を飲んだらスッキリします」みたいな答えは、確かにそのときはスッキリしそうですけど、翌日二日酔いで使い物にならないのでは意味がないですよね。
ドカ食いや深酒のように、反動がくるストレス解消法は避けた方がいいでしょう。
就職活動中の皆さん、健闘を祈る!!